浄化槽のデメリットを理解して賢く選択しよう!設置費用や維持費の負担とは
新築住宅を建てる予定があり、ワクワクする気持ちと同時に、さまざまな設備選びに頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
その中でも、特に気になるのが「浄化槽」ですよね。
環境保護に貢献できる一方で、維持費や悪臭など、気になる点も少なくありません。
今回は、そんな浄化槽のメリットだけでなく、隠れたデメリットについても詳しく解説していきます。
浄化槽の設置を検討している方、あるいはすでに設置済みで、維持費や悪臭などの問題に悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
□浄化槽のメリットとデメリット
浄化槽は、公共の下水道が整備されていない地域において、生活排水処理を行うために欠かせない設備です。
環境保護に貢献できるという大きなメリットがある一方で、維持費や悪臭など、いくつかの課題も抱えています。
1:メリット
1.環境保護に貢献できる
浄化槽は、家庭から排出される汚水を浄化してから河川に放流することで、水質汚染を防ぎ、環境保護に貢献します。
下水道に比べて、地域の水環境保全に貢献できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
2.下水道に比べて初期費用が安い場合がある
下水道が整備されている地域では、下水道への接続費用がかかります。
浄化槽の場合、下水道への接続費用と比べて、初期費用が安く済むケースもあります。
3.地震などの災害に強い
浄化槽は、各家庭に設置されるため、下水道のように大規模な配管が不要です。
そのため、地震などの災害にも比較的強いと言えるでしょう。
2:デメリット
1.維持費がかかる
浄化槽は、定期的な清掃や点検、部品交換などの維持管理が必要となります。
専門会社に依頼する費用や交換部品の費用など、維持費は決して安くはありません。
2.悪臭が発生する可能性がある
浄化槽は、微生物によって汚水を浄化する仕組みですが、適切なメンテナンスや排水方法がされていない場合、悪臭が発生することがあります。
3.下水道への切り替えが難しい場合がある
浄化槽から下水道への切り替えは、地域の状況や下水道整備状況によって、容易ではない場合もあります。
切り替えを検討する際は、事前に地域の自治体に問い合わせて、手続きや費用などを確認する必要があります。
□浄化槽の維持費について
浄化槽は、環境保護に貢献する一方、維持費がかかるという側面も持ち合わせています。
具体的な費用は、浄化槽の種類や設置場所、メンテナンス内容などによって大きく異なりますが、ここでは一般的な費用相場について解説します。
1:定期的な清掃費用
浄化槽の清掃は、法律で年に1回以上行うことが義務付けられています。
専門会社に依頼する場合、清掃費用は1回あたり数万円から10万円程度かかることが多いです。
清掃の頻度は、浄化槽の種類や使用状況によって異なります。
使用頻度が高く、汚水の量が多い場合は、年2回以上の清掃が必要となる場合もあります。
2:点検費用
浄化槽は、定期的な点検も必要です。
点検は、専門会社に依頼することで、浄化槽の機能が正常に保たれているかどうかを確認できます。
点検費用は、1回あたり数千円から1万円程度が相場です。
点検の頻度は、浄化槽の種類や設置場所によって異なります。
一般的には、年1回の点検が推奨されています。
3:部品交換費用
浄化槽のブロワーやポンプなどの部品は、経年劣化によって交換が必要になります。
部品交換費用は、部品の種類やメーカーによって異なりますが、数万円から数十万円かかることもあります。
ブロワーの寿命は、5年から10年程度と言われています。
ポンプの寿命は、10年から15年程度と言われています。
4:その他費用
浄化槽の維持費には、上記以外にも、電気代や水代、消石灰代などがかかります。
電気代は、ブロワーやポンプの運転に必要です。
水代は、浄化槽の洗浄に必要です。
消石灰代は、浄化槽内のpH調整に必要です。
□浄化槽の悪臭問題
浄化槽から発生する悪臭は、快適な生活を阻害する大きな問題です。
悪臭は、浄化槽内の微生物が弱ったり、排水方法が適切でなかったりする場合に発生することがあります。
1:悪臭が発生する原因
1.浄化槽内の微生物が弱っている
浄化槽は、微生物の働きによって汚水を浄化しています。
しかし、浄化槽に漂白剤や薬品などを流したり、過剰な有機物が流入したりすると、微生物が死滅したり、弱ったりすることがあります。
微生物が弱ると、汚水の浄化能力が低下し、悪臭が発生する原因となります。
2.排水方法が適切でない
浄化槽への排水方法が適切でないと、汚水が浄化槽内に滞留し、腐敗して悪臭が発生する原因となります。
3.浄化槽の清掃不足
浄化槽は、定期的な清掃が重要です。
清掃が不足すると、汚水が溜まり、腐敗して悪臭が発生する原因となります。
4.浄化槽の構造的な問題
浄化槽の構造に問題がある場合、悪臭が発生することがあります。
例えば、浄化槽の蓋が破損していたり、通気口が詰まっていたりすると、悪臭が外部に漏れてしまう可能性があります。
2:悪臭対策
1.浄化槽の清掃を定期的に行う
浄化槽の清掃は、法律で年に1回以上行うことが義務付けられています。
清掃を定期的に行うことで、汚水の溜まりを防ぎ、悪臭の発生を抑えることができます。
2.漂白剤や薬品を流さない
漂白剤や薬品は、浄化槽内の微生物を死滅させてしまうため、流さないようにしましょう。
3.排水方法を見直す
浄化槽への排水方法を見直すことで、汚水が滞留しにくくなり、悪臭の発生を防ぐことができます。
4.浄化槽の通気口を定期的に掃除する
浄化槽の通気口が詰まっていると、浄化槽内の空気循環が悪くなり、悪臭が発生する原因となります。
通気口を定期的に掃除することで、悪臭の発生を防ぐことができます。
□浄化槽から下水道への切り替え
浄化槽から下水道への切り替えは、快適な生活を実現するための選択肢の一つです。
しかし、切り替えにはさまざまな手続きや費用、そして地域ごとの事情が絡むため、事前にしっかりと情報収集しておくことが重要です。
1:切り替えの可否と条件
浄化槽から下水道への切り替えは、地域の自治体によって、条件や手続きが異なります。
1.下水道が整備されているか
まず、ご自宅の地域に下水道が整備されているかどうかを確認する必要があります。
下水道が整備されていない場合は、切り替えはできません。
2.切り替え費用
切り替え費用は、下水道への接続費用、浄化槽撤去費用など、さまざまな費用がかかります。
費用は地域によって異なりますので、事前に地域の自治体に問い合わせて確認しましょう。
3.手続き
切り替えには、地域の自治体への申請が必要となります。
申請に必要な書類や手続き方法は、自治体によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。
2:切り替えのメリット
1.維持費の削減
下水道に接続すると、浄化槽の清掃や点検、部品交換などの維持費が不要になります。
2.悪臭の解消
下水道に接続すると、浄化槽から発生する悪臭の心配がなくなります。
3.水質の改善
下水道の処理施設では、高度な処理が行われるため、浄化槽よりも水質が改善されます。
4.環境負荷の軽減
下水道の処理施設では、大量の汚水をまとめて処理するため、環境負荷を軽減することができます。
3:切り替えのデメリット
1.初期費用がかかる
下水道への接続には、接続費用や浄化槽撤去費用など、高額な初期費用がかかります。
2.手続きが煩雑
切り替えには、地域の自治体への申請など、さまざまな手続きが必要となり、煩雑な場合があります。
3.切り替えができない場合がある
地域によっては、下水道が整備されていない場合や、切り替えの条件を満たしていない場合、切り替えができない場合があります。
□まとめ
浄化槽は、環境保護に貢献できる一方で、維持費や悪臭などの課題も抱えています。
浄化槽の設置を検討する際には、メリットとデメリットを比較検討し、自身のライフスタイルや状況に合った適切な選択をすることが重要です。
また、浄化槽から下水道への切り替えを検討する際は、地域の自治体に問い合わせて、手続きや費用などを確認する必要があります。
本記事が、浄化槽に関する正しい知識を得て、適切な選択をするための参考になれば幸いです。
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