コラム

快適な住まいづくりに欠かせない全館空調。

新築を検討する際は、そのメリットや導入コストばかりに目が行きがちですが、実は長期的な視点で見た場合、メンテナンス費用と頻度が大きなポイントとなります。

快適な暮らしを長く続けるためにも、全館空調のメンテナンスについてしっかり理解しておきましょう。

 

今回は、費用や頻度、そして各機種のメンテナンス方法まで、新築住宅における全館空調のメンテナンスに関する疑問を解消します。

賢い住宅選びの一助となれば幸いです。

 

全館空調のメンテナンス費用

 

初期費用と追加費用

 

全館空調の導入には、初期費用として100万円~300万円程度の費用がかかります。

これはシステムの複雑さや機種、住宅の規模によって大きく変動します。

さらに、設置場所によっては、配管工事などの追加費用が発生する場合もあります。

住宅ローンに含めることが可能であるケースも多く、住宅取得にかかる諸費用を総合的に検討する必要があります。

 

年間の維持費用の目安

 

年間の維持費用は、主に電気代とメンテナンス費用から構成されます。

電気代は、住宅の規模、地域、使用状況、機種の省エネ性能によって大きく異なりますが、年間12万円程度が目安とされるケースもあります。

しかし、近年のエネルギー価格の高騰を考慮すると、それ以上の費用がかかる可能性も十分に考えられます。

 

また、メンテナンス費用は、フィルター清掃を自分で行う場合と、業者に依頼する場合で大きく異なります。

自分でフィルター清掃を行う場合でも、フィルター交換費用は別途必要となるでしょう。

業者に定期点検を依頼する場合は、年間3万円~4万円程度の費用がかかる見込みです。

これらの費用を総合的に考慮し、長期的なコスト計画を立てることが重要です。

 

費用を抑える方法

 

全館空調の維持費用を抑えるためには、いくつかの方法があります。

まず、フィルター清掃をこまめに行うことで、フィルターの目詰まりによる運転音の増大や結露の発生、モーターの故障、電気代の増加などを防ぎ、メンテナンス費用を抑えることができます。

集中排気口フィルターは月1回、換気システムのフィルターは3ヶ月に1回程度の清掃が推奨されています。

 

機種を選ぶ際には、省エネルギー性能の高い機種を選ぶことが重要です。

また、適切な温度設定を行うことで、電気代の節約に繋がります。

使用しない時間帯は、温度設定を調整することで無駄な電力消費を抑制できます。

 

さらに、定期的な点検を怠らず、初期の不具合を早期に発見することで、高額な修理費用を避けることも重要です。

業者とのメンテナンス契約を検討し、費用対効果を意識することが費用を抑えるための有効な手段となります。

全館空調のメンテナンス頻度

 

フィルター清掃の頻度

 

全館空調のフィルターは、空気をきれいに保つために重要な役割を果たしています。

フィルターの汚れは、運転効率の低下や故障の原因となるため、定期的な清掃が不可欠です。

一般的には、集中排気口フィルターは月1回、換気システムのフィルターは3ヶ月に1回の清掃が推奨されています。

 

ただし、使用状況や環境によっては、より頻繁な清掃が必要となる場合もあります。

フィルターの目詰まり具合を確認し、必要に応じて清掃頻度を調整することが大切です。

フィルターは破れるまで使用可能ですが、目安として3~5年程度で交換を検討しましょう。

 

定期点検の重要性

 

定期的な点検は、全館空調の寿命を延ばし、故障による高額な修理費用を避けるために非常に重要です。

点検では、冷媒(ガス)のチェックや補充、制御システムの点検、熱交換器洗浄、電子式エアクリーナの点検・清掃など、専門的な知識と技術が必要な項目が含まれます。

 

これらの点検は、専門業者に依頼することをお勧めします。

定期点検を行うことで、小さな不具合を早期に発見し、修理費用を抑えることができます。

また、点検によって、機器の寿命を延ばし、長期間にわたって快適な環境を維持することができます。

 

故障時の対応と費用

 

全館空調が故障した場合、家全体の空調が停止するため、生活に大きな影響が出ます。

故障の原因や程度によって修理費用は大きく異なりますが、数万円から数百万円に及ぶ場合もあります。

そのため、万が一の故障に備えて、修理費用を考慮した予算を確保しておくことが大切です。

また、保証期間やメンテナンス契約の内容を事前に確認し、故障時の対応について明確にしておくことが重要です。

空調機器の種類とメンテナンス

 

天井吹き出し型のメンテナンス

 

天井吹き出し型は、天井裏に設置されたダクトから各部屋に空気を送るシステムです。

メンテナンスとしては、フィルター清掃に加え、ダクト内の清掃も必要となる場合があります。

ダクト内は、ホコリやカビが蓄積されやすいため、定期的な清掃が重要です。

 

ダクト内の清掃は、専門業者に依頼するのが一般的です。

また、吹き出し口のルーバーの調整も、適切な空気の流れを確保するために重要です。

 

床下冷暖房型のメンテナンス

 

床下冷暖房型は、床下空間に設置された機器から輻射熱と送風によって暖房を行うシステムです。

メンテナンスは、フィルター清掃に加えて、床下空間の点検が必要となります。

床下空間は、湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい環境であるため、定期的な点検と清掃が重要です。

 

床下空間の点検・清掃は、専門業者に依頼することをお勧めします。

また、機器の設置場所によっては、アクセスが困難な場合もあるため、事前に確認が必要です。

 

壁パネル輻射型のメンテナンス

 

壁パネル輻射型は、壁に設置されたパネルから輻射熱によって暖房を行うシステムです。

メンテナンスは、フィルター清掃が主な作業となります。

 

パネル自体は比較的メンテナンスが容易ですが、内部の配管や熱交換器などの点検は専門業者に依頼する必要があります。

パネルの表面の清掃も、定期的に行うことで、美観を保つことができます。

 

新築における空調メンテナンス

 

工務店との確認事項

 

新築住宅に全館空調を導入する際には、以下の事を確認することが重要です。

 

1.導入する機種のメンテナンス性

メンテナンスの容易さ、費用、頻度、保証期間などを確認し、長期的なコスト計画に役立てましょう。

また、メンテナンス業者との連携についても確認しておきましょう。

 

2.メンテナンス契約の内容、費用など

保証期間後についても、メンテナンスの継続性について確認しましょう。

 

保証期間とその後

 

全館空調には、一般的にメーカー保証が適用されます。

保証期間中は、故障した場合、無償または低価格で修理を受けることができます。

 

しかし、保証期間が終了すると、修理費用が高額になる可能性があるため、保証期間終了後のメンテナンス計画を立てる必要があります。

保証期間終了後も、定期的な点検とメンテナンスを行うことで、機器の寿命を延ばし、故障リスクを低減することができます。

メンテナンス契約を検討し、長期的なコスト計画に役立てましょう。

 

長期的なコスト計画

 

全館空調は、初期費用だけでなく、ランニングコストも高額となる可能性があります。

そのため、新築住宅に全館空調を導入する際には、長期的なコスト計画を立てることが重要です。

導入費用、電気代、メンテナンス費用などを考慮し、予算を確保しましょう。

 

また、ライフスタイルの変化や将来的な修繕費用なども考慮し、計画を立てましょう。

住宅ローンとの兼ね合いなども考慮し、無理のない計画を立てることが大切です。

 

まとめ

 

今回は、新築住宅における全館空調のメンテナンス費用と頻度について解説しました。

初期費用に加え、年間の電気代とメンテナンス費用を考慮した長期的なコスト計画が重要です。

フィルター清掃などの簡単なメンテナンスは自分で行うこともできますが、定期点検や専門的な修理は業者に依頼する必要があります。

 

機種によってメンテナンスの内容や頻度が異なるため、導入前にそれぞれのメンテナンス方法を十分に理解しておくことで、快適な住環境を長く維持することが可能となります。

また、工務店と綿密な打ち合わせを行うことも、後悔のない住宅選びにつながります。

 

当店では、お客様に寄り添った家づくりを提供いたします。

全館空調のある家をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

ホームチアリー

〒510-1325 三重県三重郡菰野町大字榊890‐15 059-390-0520